フラップ残し『大戦モデル』

第二次世界大戦中に出されたアメリカ政府からの物資統制令で各ブランドが製造する洋服の生地やボタンなどの資材も簡素化されました。

デニムジャケットもその1つで、中でもLEVI'Sの1stモデルから前立てのボタンが1つ減らされ、胸ポケットのフラップが簡素化された『大戦モデル』が特に有名ですが、マイナーブランド物の『大戦モデル』もそれぞれの個性を残そうとしながら簡素化されていきました。

その1つ、BAYLYは大抵のブランドが統制令の際に胸ポケットのフラップを取り払っていた中であえて両胸のフラップを残し、ボタンだけを省略。
フロントの前立て部分のボタンは1つ省略した4つにしていますが、この時期は左胸に1つだけのポケットを付けているデザインが多い中で、両胸にポケットを付けてるあたりも粋ですね。

とにかく最期まで他とのデザインの均一化に抗う『意地』を貫き通したブランドだったんだと思います。

同様のフラップ残しの『大戦モデル』を展開していたブランドは他にもありますが、こういう『意地』に今もどこか惹かれてしまいます。

f:id:hynm_konno:20151115220119j:image